
みなさん、こんにちは!
梅雨や秋雨など、釣りにとって雨は避けられない存在です。しかし、気圧が下がる雨の日は魚の警戒心が薄れるため、実はよく釣れる大チャンスでもあります。
ただ、いくら魚が釣れても、服の中に雨が染み込んで体が冷えてしまっては釣りを続けられません。不快感から集中力が途切れ、せっかくのチャンスを逃してしまいます。
今回は、一年中快適に釣りをするためのレインウェアの選び方を分かりやすく解説します。素材の違いから釣り専用の機能、正しいお手入れ方法までまとめました。雨の日の釣りを快適に楽しむための参考にしてください!
1. 釣り用と一般アウトドア用の違い
「登山用のレインウェアを釣りで使ってもいいのでは?」と考える方も多いと思います。確かに雨を防ぐ目的は同じですが、釣り専用ウェアは釣りの動作や環境に合わせた特殊な作りになっています。
キャストしやすい立体裁断
仕掛けを投げる際、腕を大きく振りかぶります。釣り用は腕を上げたときに脇が突っ張ったり、裾がずり上がったりしないよう、肩から腕にかけて特殊な立体裁断が施されています。
汚れや塩分への耐性
釣りでは魚の血やエサの汚れが付きやすいため、生地の表面が汚れを落としやすい加工になっています。海水による塩噛みを防ぐ特殊なファスナーを採用しているモデルも多いです。
ベスト着用時の使いやすさ
胸ポケットの位置が、ライフジャケットを着用した状態でも使いやすいように設計されています。登山用はバックパックのベルトに干渉しない位置にポケットがあるため、釣りでは使いにくいことがあります。
釣りに集中して快適に楽しむためには、やはり釣り専用に作られたウェアを選ぶのがおすすめです。
2. 素材ごとのメリットとデメリット
レインウェアの価格や着心地を大きく左右するのが素材です。自分の釣りスタイルに合わせて最適なものを選びましょう。
圧倒的に蒸れないゴアテックス
外からの雨は完全に通さず、内側の汗による水蒸気は外に逃がす透湿防水素材の最高峰です。
最大のメリットは圧倒的に蒸れにくいことです。梅雨時期のジメジメした日でも、服の中がベタつかずサラサラな状態を保てます。耐久性も非常に高く、適切にお手入れすれば長年愛用できます。
デメリットは、高機能なぶんだけ価格が2万円台後半から数万円と高額になる点です。
コスパが高いメーカー独自素材
ダイワの「レインマックス」や、シマノの「ドライシールドプラス」「デュラスト」など、釣具メーカーが独自に開発した透湿防水素材です。
最大のメリットはコストパフォーマンスの高さです。ゴアテックスに近い防水・透湿性能を持ちながら、1万円台から購入できるため、最初の1着に最もおすすめです。
デメリットは、ゴアテックスと比較すると大雨の中での透湿性や、何年も使い込んだときの耐久性は少し劣る点です。
汚れに強い完全防水のPU・PVC
漁師さんが着用しているような、表面がツルツルとしたゴムのような素材です。
最大のメリットは汚れへの強さです。魚の血やイカの墨、エサが付着しても、水でサッと洗い流すだけで綺麗になります。波しぶきを頭から被るような船釣りでは、非常に高い安心感があります。
デメリットは、透湿性がほとんどないため内部が非常に蒸れやすい点です。
3. ワークマンや安い合羽は釣りで使えるか
「安くて高機能なワークマンや、数千円の格安カッパを釣りに流用できないか」と考える方は非常に多いです。結論から言うと、短時間の軽い雨なら使えますが、1日中釣りに集中するなら釣具メーカー製がおすすめです。
ワークマンはコスパが良いが専門機能が惜しい
ワークマンの防水ウェアは、防水性に関しては価格以上のクオリティを持っています。
しかし、釣り専用に作られているわけではないため、ロッドを上に構えたときに手首から水が侵入するのを防ぐ「二重袖」や、帽子のツバとフードをしっかり固定する「キャップインシステム」がありません。また、仕掛けを何度も投げるキャスティング動作に対して、肩や脇回りの立体裁断が甘く、長時間投げ続けると腕が突っ張って疲れやすいという弱点があります。
格安の非透湿カッパは安全面で非推奨
ホームセンターなどで売られている数千円の非透湿カッパ(ビニール製)は、外からの雨は完全に防ぎますが、自分の汗で内側がビショビショになり、海風に吹かれて体が急激に冷え切るリスクがあります。特に秋から春にかけての寒い時期は、低体温症などの危険を招くため釣行での着用は避けるべきです。
4. スペックの選び方
カタログに必ず書いてある2つの数値を理解して、失敗しないウェアを選びましょう。
耐水圧は10,000mm以上
耐水圧は雨や水圧に耐える力を表す数値です。一般的な傘の耐水圧が約250mm、一般的なテントが約1,500mmとされています。
釣りでは、大雨の中で長時間活動するだけでなく、濡れた座席に座ったり、地面に膝をついたりします。実は、濡れた場所に座ると約2,000mm、膝をつくと約11,000mmの圧力がウェアにかかります。
このように体重がかかると一気に水が染み込みやすくなるため、釣り用としては「最低10,000mm、できれば20,000mm以上」を選んでください。20,000mm以上あれば、ボートで激しい水しぶきを浴びても全く染み込みません。
透湿性は5,000g以上
透湿性はウェア内の蒸れを外に逃がす力を表す数値です。24時間で何グラムの水蒸気を外に出せるかを示しています。
人間は動いていないときでも汗をかきますが、釣りのように仕掛けを投げたり歩いたりする軽い運動では、24時間で約5,000gから10,000gの汗をかきます。
そのため、釣り用としては「最低5,000g、できれば10,000g以上」を目安にしましょう。特にルアー釣りのように歩き回るランガンスタイルでは、この数値が高ければ高いほど服の中がサラサラで快適になります。
5. 釣りの快適さを分ける専用機能3選
素材だけでなく、釣り専用の機能が付いているかどうかが、現場でのストレスを大きく左右します。
水の侵入を防ぐ「二重袖」
手首の部分が内側と外側の二重構造になっている機能です。
雨の中でロッドを立てて構えても、手首から冷たい雨水が伝って侵入してくるのを防いでくれます。これがないレインウェアは釣りでは使いたくないと言えるほど、最優先でチェックしたい重要機能です。
視界をクリアにする「キャップイン」
フードのツバ部分と、被っている帽子のツバを連結できる機能です。
強風が吹いてもフードが後ろに脱げたりバタついたりせず、視界を広く保てます。ルアーの着水点や、仕掛け・ラインのわずかな変化をしっかり目で追うために欠かせません。
背中をガードする「サスペンダー」
パンツにサスペンダーが付いているタイプ、または取り付けられる仕様のものです。
仕掛けを組むときや魚をすくうときなど、しゃがんだ拍子に背中からシャツが出たり、隙間から雨水や冷風が入り込んだりするのを完全に防ぎます。好みに応じて取り外し可能なモデルが便利です。
6. 季節ごとの着回しとサイズ選び
「夏用と冬用でレインウェアを2着買うべき?」という疑問があるかと思いますが、結論から言うと少し大きめの透湿レインウェアを1着買い、インナーで調整するのが最も賢い方法です。
夏の着こなし
冷感・吸汗速乾インナー(長袖のラッシュガードなど)の上に、レインウェアを直接着用します。肌のベタつきを抑え、ウェア内の蒸れを外へ逃がすことで、暑い時期の雨でも快適に過ごせます。

春秋の着こなし
吸汗速乾インナーに、Tシャツや薄手のフリースを組み合わせ、その上にレインウェアを羽織ります。朝晩と日中の寒暖差が激しい季節なので、脱ぎ着して体温調節しやすい構成にするのがコツです。
冬の着こなし
高機能な発熱インナーに、厚手のフリースやインナーダウンを着込み、一番外側にレインウェアを合わせます。レインウェアが冷たい雨や海風をシャットアウトし、内側の温かい空気の層をキープしてくれます。
失敗しないサイズ選び
冬の防寒対策として中に着込むことを想定し、普段の服よりも「1サイズ大きめ」を選ぶのが失敗しないコツです。
ジャストサイズを選んでしまうと、冬に着込んだときに肩や腕が突っ張ってしまい、仕掛けを投げる動作が窮屈になります。多少大きめであっても、裾や腰のアジャスター(絞り紐)でバタつきを調整できるモデルがほとんどなので安心してください。
7. ネット通販での注意点
Amazonや楽天市場などのネット通販でレインウェアを購入する際は、試着ができないからこそ失敗を防ぐための大事なポイントがあります。
公式のサイズチャートを必ず確認する
洋服の「M」や「L」といった表記だけで判断せず、必ずメーカーが公開している「適合サイズ表(サイズチャート)」の身長・胸囲・胴囲を確認してください。特にフィッシングブランドのウェアは、一般的な服よりも袖や丈が少し長めに作られていることがあります。
釣具メーカーと海外ブランドの違い
ダイワやシマノのレインウェアは、あらかじめ中に服を着込むことを想定して作られています。そのため、先ほど解説した通り普段より「1サイズ大きめ」を選べば基本的には問題ありません。
しかし、海外のアウトドアブランド(コロンビアやパタゴニアなど)のモデルを選ぶ場合は注意が必要です。海外基準のサイズ感になっているため、1サイズ大きめを買うとブカブカになってしまうケースがあります。海外ブランドを選ぶ際は、普段通りのサイズか、適合サイズ表の数値をより細かくチェックしましょう。
サイズ表をしっかり確認して自分に合う一着が見つかったら、いよいよ具体的なおすすめモデルをチェックしていきましょう。
8. 目的別おすすめレインウェア6選
用途や予算、求める素材に合わせて選べるモデルを、素材別に紹介します。
コスパを重視したメーカー独自素材モデル
ダイワ レインマックス レインスーツ DR-3625
1万円台前半で展開されている、ダイワの定番エントリーモデルです。
独自の透湿防水素材「レインマックス」を使用しており、実釣に必要とされる防水性能を備えています。手首からの浸水を抑える二重袖口などの基本装備が揃っており、費用を抑えて釣り専用ウェアを用意したい場合に適しています。
シマノ アングラーズシェル ジャケット・パンツ
動きやすさとコストを考慮して設計された、シマノの独自素材系モデルです。
ストレッチ性を持たせた防水透湿素材を使用しており、ルアーフィッシングにおけるキャスト動作や歩行時の突っ張りを軽減します。上下を個別に選んで揃えることも可能です。
快適性を重視したゴアテックスモデル
ダイワ ゴアテックス バーサタイルレインスーツ DR-1926
高い防水性と透湿性を備えた、ダイワのゴアテックスモデルです。
雨天の長時間釣行でも衣服内が蒸れにくく、ドライな着心地を維持しやすいのが特徴です。釣りの腕の動きを妨げない立体裁断が施されており、キャスト時の肩周りの突っ張りがありません。
シマノ ネクサス ゴアテックス レインスーツ RA-101Z
過酷な状況に対応する、シマノの磯・船釣り用ゴアテックスモデルです。
新世代の環境配慮型ゴアテックス素材(ePEメンブレン)を導入したことで、従来の防護性能を維持しながら約10%の軽量化に成功しています。フードのフィット感を片手で操作でき、フローティングベストと一体化できるコンビネーションシステムが搭載されています。
汚れに強い完全防水のPU素材モデル
マズメ ラフウォーターレインスーツ MZRS-884
波しぶきや汚れへの強さを最優先した、ポリウレタン(PU)素材の完全防水ウェアです。
生地の表面が滑らかなため、船釣りでの激しい塩水や、イカの墨、魚のエサなどの汚れが付着しても水で簡単に洗い流せます。裏地には肌へのベタつきを抑えるメッシュが配されており、船べりにもたれかかった際の衝撃を和らげる着脱式の腰・モモパッドが付属しています。
ダイワ PUオーシャンレインスーツ DR-6026
実用性と耐久性を備えた、ダイワの船釣り用PU完全防水モデルです。
しなやかな質感のPU素材を使用しており、ゴワゴワ感が少ないのが特徴です。汚れを吸収しないため、コマセや魚の血が飛び散るエサ釣りでも手入れが容易です。パンツは胸元までカバーするサロペットタイプになっており、座った際のお尻からの浸水を防ぎます。
9. 長持ちさせる正しいお手入れ方法
「レインウェアは洗うと防水性が落ちるから洗わない」というのは間違いです。
表面に塩分や泥、皮脂がついたままだと、水を弾かなくなるだけでなく、湿気を逃がす穴が塞がれて衣服内が蒸れる原因になります。正しい手入れを行うことで、ウェアの寿命を大きく伸ばせます。
柔軟剤は絶対に使用しない
洗濯をするときは、柔軟剤の入っていない衣料用の中性洗剤を使用してください。柔軟剤の成分は生地の表面を覆ってしまい、撥水加工を破壊するため厳禁です。
ネットに入れて優しく洗う
製品の洗濯表示に従い、ファスナーや面ファスナーをすべて閉じてから洗濯ネットに入れます。洗濯機の弱水流コースで洗うか、ぬるま湯を使って優しく押し洗いをしてください。生地を痛める原因になるため、強く擦り合わせるのは避けます。
風通しの良い日陰で干す
直射日光に含まれる紫外線は生地の劣化を早めます。洗濯が終わったら、必ず風通しの良い日陰で吊り干しをしてください。
ドライヤーなどの熱で撥水力を戻す
完全に乾いた後、「低温に設定したアイロン(必ず当て布をする)」または「ドライヤーの温風」を生地の表面にサッと当ててください。熱を加えることで、倒れてしまっていた撥水繊維が再び立ち上がり、水弾きが回復します。
水弾きが戻らないときはスプレー
長年使い込んで熱を加えても水を弾かなくなったときは、仕上げに「ロックタイト 超強力防水スプレー 多用途」を使用するのが効果的です。繊維の隙間を塞がないフッ素系の防水スプレーなので、透湿素材の通気性を損なわずに撥水力を補うことができます。
レインウェア選びでよくある疑問
ネット通販で購入する際や、現場で使う上でアングラーが迷いがちな疑問をまとめました。
- Qゴアテックスは何年くらい使えますか
- A
正しくメンテナンス(定期的な洗濯と乾いた後の熱処理)をしていれば、目安として5年前後は快適に使用できます。
ゴアテックス素材そのものは非常に高耐久ですが、何年も使い込むと、裏地の縫い目を保護している防水テープ(シームテープ)が剥がれてくることがあります。テープの剥がれや、生地そのものが摩耗してきたときが買い替えのサインです。
- Qジャケットだけで十分ですか
- A
陸っぱり・船釣りを問わず、必ずパンツも揃えた上下セットでの着用を強く推奨します。
釣りでは、雨だけでなく「濡れた堤防やボートの座席に座る」「仕掛けを組むときに地面に膝をつく」「草むらの朝露をかき分けて進む」といった状況が多発します。このように下半身に体重や摩擦がかかる場面が多いため、パンツを履いていないと一発で下着まで水が染み込んで体が冷えてしまいます。
まとめ:雨対策をして爆釣しよう!
レインウェア選びで大切なのは、快適性を重視するなら透湿素材(ゴアテックスなど)、船釣りや汚れ対策を最優先するならPU素材を選び、袖口からの浸水を防ぐ二重袖や視界を保つキャップインシステムが備わっているかを確認することです。サイズは冬の重ね着を見据えて「1サイズ大きめ」を選ぶのが失敗しないコツです。
雨の日は多くの釣り人が釣行を断念するため、普段は混雑している一級ポイントを独占できる大チャンスです。しっかりと水を弾く頼もしいウェアがあれば、雨の日は憂鬱な日ではなく、ワクワクする日に変わります。
まずは今持っているレインウェアに水をかけ、水玉になって転がり落ちるかチェックしてみてください。もし生地に染み込むようであれば、買い替え、または熱処理や防水スプレーによるメンテナンスのサインです。



