
みなさん、こんにちは!
釣具屋さんに行ってロッド(竿)のコーナーを眺めていると、グリップの少し上あたりに「S96ML」とか「CRX-1002M」といった、暗号のようなアルファベットと数字が並んでいるのを見たことはありませんか?
「これ、一体どういう意味なの…?」「初心者にはどれを選べばいいか全く分からない!」と頭を抱えてしまう方も多いはず。実は私がルアーフィッシングを始めたばかりの頃も、この記号の意味が全く分からず、適当に買ってしまって「思っていたより硬すぎて、軽いルアーが全然飛ばない!」と大失敗した苦い経験があります。
でも安心してください。あの記号は決してただの暗号ではありません。「この竿はどれくらいの長さで、どんな重さのルアーが投げられて、どんな魚を釣るのに向いているか」を教えてくれる、ロッドの「カタログ」のようなものなのです。
1. まずはここから!全メーカー共通の基本スペック(記号の基礎)
メーカーごとに独自の記号ルールはありますが、ベースとなる「長さ」「硬さ(パワー)」「調子(テーパー)」の考え方は万国共通です。まずはこの3つの柱を絶対に押さえておきましょう。
長さ(レングス):なぜ「cm」じゃないの?
ロッドの記号で一番多く見かける数字、それが長さです。 日本の釣具ですが、ルアーロッドの長さは慣習的にアメリカ発祥の「ヤード・ポンド法(フィート・インチ)」で表記されます。
【超重要!長さの単位換算】 ・1フィート(ft) = 約30.48cm ・1インチ(in) = 約2.54cm (※12インチで1フィートに繰り上がります)
初心者が陥りやすい罠: 記号に「96」と書いてあった場合、これは「9.6フィート(約292cm)」ではありません! 正解は「9フィート6インチ」です。(計算式:9ft×30.48cm + 6in×2.54cm = 約289cm)
暗算でざっくりイメージしたい時は、「1フィート=約30cm、1インチ=約2.5cm」と覚えておけば、釣り場でサッと計算できます。
便利な計算機もあります↓
硬さ(パワー):狙う魚とルアーウェイトを決める要
アルファベットの「L」や「M」は、ロッドの硬さ(パワー)を表します。これは、どのくらいの重さのルアーを快適に投げられるかに直結します。
- UL(ウルトラライト): 極小ルアー用(約1〜5g)。アジ、メバル、エリアトラウトなど。極めて繊細。
- L(ライト): 小型ルアー用(約3〜10g)。チヌ(クロダイ)、ライトロックフィッシュ、小型バス。
- ML(ミディアムライト): 中型ルアー用(約5〜20g)。エギング、シーバスの基本。最も汎用性が高い。
- M(ミディアム): 標準ウェイト(約10〜30g)。大型シーバス、サーフのヒラメ、ライトショアジギング。
- MH(ミディアムヘビー): 重めルアー(約15〜50g)。ランカーシーバス、ショアジギング(イナダ・サゴシ)。
- H(ヘビー)/ XH(エクストラヘビー): 超重量級。磯からの本格ショアジギング(ブリ・ヒラマサ)、雷魚、マグロなど。
💡 MLとMで迷ったら? 「MLとM、どっちがいいの?」これは本当によくある悩みです。 結論から言うと、よく行く釣り場の「足場の高さ」と「流れの速さ」で決めましょう。堤防など足場が高く、魚を少し強引に寄せる必要がある場所や、川の流れが速い激流エリアなら「M」。漁港内や足場の低い河川で、ルアーを繊細に動かしたいなら「ML」がおすすめです。
また注意点として、「エギングロッドのM」と「ショアジギングロッドのM」は硬さが違います。 パワー表記はあくまで「そのジャンル(対象魚)専用ロッドの中での基準」だと覚えておいてください。
調子(テーパー):ロッドのどこが曲がるか
記号の末尾に「F」や「R」と付いていることがあります。これはロッドに負荷がかかった際、どの部分を支点にして曲がるか(テーパーアクション)を示しています。
- F(ファストアクション / 先調子): 穂先の1/3付近が曲がる。感度が高く、ルアーを細かく動かしたり、アタリに即座にアワセを入れる「掛けの釣り」に向いています。(例:アジング、バスの底物ワーム釣り)
- R(レギュラーアクション / 胴調子): ロッドの真ん中付近から曲がる。ルアーの重みをロッド全体に乗せて遠投しやすく、魚の引きをロッド全体で吸収するためバラしにくい「乗せ・巻きの釣り」が特徴です。(例:シーバスのプラッギング、巻物系ルアー)
※極端なものとして、EXF(エクストラファスト/超先調子)や、S(スロー/極端な胴調子)などもあります。
2. シマノ (SHIMANO) のロッド記号の読み方と特徴
国内釣具の2大巨頭の一つ、シマノ。シマノの記号は非常にロジカルに作られています。 基本ルールは 【ロッドタイプ】 + 【長さ】 + 【硬さ】 + 【特徴】 です。
例: S 96 M -S
- [S] スピニングタイプ (ベイトリール用ならB)
- [96] 9フィート6インチ(※シマノは3桁表記の物もある)
- [M] ミディアムパワー
- [-S] ソリッドティップ(穂先の特徴)
【シマノ特有の解説ポイント】
- 長さに「0」が入る法則: シマノは「9フィート6インチ」を「96」ではなく「906」と表記することがあります。同様に「6フィート10インチ」は「610」となります。
- 末尾のティップ記号: アジングやメバリングロッドでよく見る末尾の記号。
- -S(ソリッドティップ): 中身が詰まった穂先。しなやかで魚がルアーを咥えた時に違和感を与えにくい(乗せ調子)。
- -T(チューブラーティップ): 中が空洞の穂先。反響感度が良く、アタリを手元に「カンッ!」と伝えるのに優れる(掛け調子)。
3. ダイワ (DAIWA) のロッド記号の読み方と特徴
シマノと双璧をなすダイワ。ダイワの記号はシマノよりも少し短く省略される傾向がありますが、 基本ルールは【ロッドタイプ】 + 【長さ】 + 【硬さ】 + 【特徴/世代バージョン】 です。
例: S 93 ML ・W
- [S] スピニング。ベイトキャスティングはCと表記 (ソルトロッドでは省略される場合も)
- [93] 9フィート3インチ(※2桁表記が主流)
- [ML] ミディアムライトパワー
- [・W] モデルチェンジの世代を表す記号
【ダイワ特有の解説ポイント】
- スピニングは「S」を省略する場合も: ダイワのソルトルアーロッドは、最初から「96M」のように数字から始まる場合も。これは「基本がスピニングモデルである」ことを前提としているためです(ベイトモデルの場合は「96MB」のようにBが付きます)。
- 末尾の「・」付きアルファベットの罠: 「・N」「・R」「・Q」「・W」など、末尾にアルファベットがつくことがあります。初心者は「Nだからノーマル?」と考えがちですが違います。これは「モデルチェンジ(世代)」を表す記号です。例えば、同じ「ラテオ」というシリーズでも、数年ごとにリニューアルされるたびに「19ラテオ(・R)」→「24ラテオ(・W)」のように末尾の記号が変わります。中古で買う時はこの記号を見て「いつの年代のモデルか」を判別します。
- 最先端素材の略称: ダイワの高級ロッドには「AGS(エアガイドシステム:軽くて高感度なカーボンフレームガイド)」や「SMT(スーパーメタルトップ:超高感度なチタン合金の穂先)」といった独自技術の略称が記号に組み込まれることがあります(例:90M AGS)。
4. メジャークラフト (Major Craft) のロッド記号の読み方
「コスパ最強」として初心者から絶大な支持を得ているメジャークラフト。 ここの記号は非常にシンプルで分かりやすいのが特徴です。
例: CRX – 100 2 LSJ
- [CRX] シリーズ名(三代目クロステージ)
- [100] 10フィート0インチ
- [2] 継数(2ピース=2本に分割できる)
- [LSJ] ライトショアジギング専用設計
【メジャークラフト特有の解説ポイント】
- 対象魚種がダイレクトに書いてある: メジャークラフトの素晴らしいところは、末尾に「LSJ(ライトショアジギング)」「E(エギング)」「A(アジング)」「T(チューブラー/トラウト等)」など、何用のロッドかが一目でわかるアルファベットを入れてくれている点です。
- 継数(ピース数)が明記: 真ん中の数字「2」や「4」は、ロッドが何本に分割できるか(継数)を示します。「2」なら真ん中で2つに分かれる一般的な2ピース。「4」や「5」なら、旅行や電車釣行、自転車での移動に便利なコンパクトなパックロッドです。
5. アブガルシア (Abu Garcia) のロッド記号の読み方
スタイリッシュなデザインと個性的なラインナップで世界中にファンを持つアブガルシア。 私の愛用メーカーでもあります。記号は少し長めで、情報量がギュッと詰まっています。
例: XRFS – 86 2 M
- [XRFS] シリーズ名+スピニング(ベイトキャスティングタイプはCと表記)
- [86] 8フィート6インチ
- [2] 継数(2ピース)
- [M] ミディアムパワー
【アブガルシア特有の解説ポイント】 基本構造はメジャークラフトに似ていますが、末尾に「-TE(テレスコピック=振り出し式)」「-TZ(トルザイトリングガイド搭載)」といった、ロッドの構造や採用されている高級パーツを示す記号がつくことが多いです。 また、最近人気のアウトドアテイストなロッドシリーズなどは、より独特な品番がつくこともあります。
6. 知っておきたい!国産&専門メーカーの記号
釣りに慣れてくると、シマノ・ダイワ以外の「通好み」なメーカーのロッドも気になってくるはずです。ベテランの方に向けて、いくつかの特徴的なメーカーの記号も解説します。
ヤマガブランクス (YAMAGA Blanks)
純国産のブランクス(竿のカーボン部分)メーカーとして大人気。
例: BlueCurrent 85/TZ NANO All-Range 驚くほどシンプルです。「長さ(85)」と「ガイド素材(TZ)」「ブランクス技術(NANO)」が書かれていますが、硬さ(MやL)の表記がないモデルが多いのが最大の特徴です。「ロッドの硬さは、記号ではなくルアーのMAXウェイト表記を見て、実際に曲げて感じてくれ!」という職人気質を感じますね。
がまかつ / ラグゼ (LUXXE)
針のトップメーカーであり、ロッドも超一流。
例: 宵姫 華弐 S54FL-solid アジングなどのライトゲーム用のロッドでは、UL(ウルトラライト)よりもさらに柔らかい「FL(フェザーライト)」や「AL(エアライト)」という独自のパワー表記を使用します。1g未満のジグヘッドを扱う極限の繊細さを表現しています。
7. オフショア(船釣り)ロッド特有の記号について
ここまでは陸っぱり(ショア)のルアーロッドを中心に解説しましたが、船から狙うジギングやタイラバのロッドには、少し違った表記が存在します。
- 「MAX 200g」などのウェイト表記: オフショアではルアーを「遠くへ投げる」のではなく「真下に落とす」ため、ロッドの硬さ表記(MやH)のほかに、「最大何グラムの重いジグまで、水中でしっかりと動かせるか(しゃくれるか)」が大きく記載されます。
- 「PE MAX 2.0」などのライン表記: 耐えられるPEライン(釣り糸)の最大号数です。オフショアは大物が掛かるため、ロッドが折れる前に糸が切れる(またはその逆)のを防ぐため、ロッドと糸の強度バランスが極めて重要になります。
8. 記号だけで選ばない!実釣で失敗しないための「裏」チェックポイント
ここまで記号の読み方を解説してきましたが、最後に一つ、非常に重要なことをお伝えします。
それは、「記号やスペック表の『ルアーMAXウェイト』を鵜呑みにして、限界ギリギリの重さをフルキャストしてはいけない」ということです。
例えば「Lure: 10-30g」と書かれているロッド(大体Mパワー)があったとします。初心者は「じゃあ30gのメタルジグが一番気持ちよく遠くまで飛ぶんだな!」と思いがちですが、実は違います。
私が色々なロッドを振ってきた感覚では、ロッドが最も気持ちよくルアーを弾き飛ばせる(ロッドのカーボンの反発力を最大限活かせる)のは、MAXウェイトの「7〜8割」の重さであることがほとんどです。 つまり、MAX30gのロッドなら、20g〜24gくらいのルアーが一番ぶっ飛びます。30gのフルキャストは、ロッドが「よっこいしょ」と重さに負けてしまい、逆に飛距離が落ちたり、最悪の場合は竿先がボキッと折れる原因にもなります。
「自分が一番よく投げるルアーの重さ」が、「ロッドのMAXウェイトの7〜8割」に収まるような記号(パワー)を選ぶのが、失敗しないロッド選びの最大のコツです。
まとめ:もうロッド選びで迷わない!
いかがでしたでしょうか? 複雑に見えたロッドの記号も、分解してみれば「長さ」「硬さ」「メーカーごとの少しの特徴」の組み合わせに過ぎないことが分かっていただけたと思います。
- 長さは「フィート・インチ(1ft=約30cm)」で計算!
- 硬さは「L(柔らかい)→ M → H(硬い)」の順!
- 迷ったらシマノかダイワの「MLかM」を選べば汎用性抜群!
- 末尾の記号は「ソリッド穂先(-S)」や「モデル世代(・Wなど)」を表す!
さあ、この記事(スマホの画面)を開いたまま、今すぐお近くの釣具屋さんへ行くか、ネットショップのロッド一覧を眺めてみてください。 ズラリと並んだロッドの記号を見た瞬間、「あ、これはシーバス用の9.6フィートで、柔らかめの穂先だな」「これはダイワの最新モデルのライトショアジギロッドだ!」と、まるで暗号が解けたように理解できる快感を味わえるはずです。
あなたにピッタリの「運命の一本」が見つかることを、心から応援しています!
リールの記号については下記の記事を参考にしてください。






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