サーフ投げ釣り完全バイブル!150m先の「海の女王シロギス」を射止める遠投と探りの極意

サーフ投げ釣り完全バイブル!150m先の「海の女王シロギス」を射止める遠投と探りの極意

みなさん、こんにちは!

今回は「サーフでエサ釣り(投げ釣り)」の世界へ皆さんをご招待します。

「投げ釣り?おじいちゃんの趣味でしょ?」 もしそう思っているなら、あまりにも勿体ない!現代の投げ釣りは、カーボンテクノロジーの進化により、「スポーツ」へと進化しています。

100m、150m、時には200m先(7色〜8色)の沖へ、自分の力でオモリを弾き飛ばす「フルスイング」の爽快感。 そして、そんな遥か彼方から、手元の竿に「ブルルルッ!!」と電撃のように伝わるシロギスの小気味よいアタリ。

これは、ルアーフィッシングにはない、「静と動」が織りなす究極の快感です。 今回は、初心者でも安全に100m飛ばすためのフォームから、ベテランがひた隠しにする「連掛け(多点掛け)」のテクニック、そして海底の質感を指先で読むためのセッティングまで書き上げました。

さあ、クーラーボックスを「海の女王」シロギスで満タンにする準備はいいですか?

1. 投げ釣りの魅力と、ターゲットを知る

投げ釣りの本質は、「広大な砂漠の中から、魚が密集するオアシスを特定する作業」にあります。
遠くへ飛ばせれば飛ばせるほど、探れる範囲は広がり、魚に出会える確率は物理的に向上します。100メートル飛ばせる人と、150メートル飛ばせる人では、攻略できる「面」の広さが全く異なるのです。

ターゲット:砂浜の女王「シロギス」

投げ釣りの主役はなんといってもシロギスです。砂地に生息し、季節や時間帯によって激しく居場所を変えます。
波打ち際のすぐ近くにいることもあれば、遥か100メートル以上の沖にある「カケアガリ(斜面)」に群れていることもあります。

  • アタリの衝撃:見た目は清楚ですが、アタリは凶暴です。遥か150m先からでも、竿先をひったくるような金属的な振動を伝えてきます。
  • 食味:天ぷら、刺身、昆布締め。釣り人だけが味わえる透き通った身の甘さは、高級料亭をも凌駕します。

その他の嬉しいゲスト

  • イシモチ(ニベ):濁りに強く、強烈な引きを見せます。
  • カレイ:冬場の主役。座布団のような重量感がたまりません。
  • マゴチ・ヒラメ:釣れたキスに食いついてくることも!

2. 【タックル編】100mの壁を超えるための「武器」選び

投げ釣りは、道具への依存度が高い釣りです。「飛距離」と「感度」は、お金で買える部分が大きいのが正直なところ。しかし、選び方を間違えなければコスパよく最強のセットが組めます。

ロッド:4.05mが世界標準

投げ竿は「4.05m(ヨンマルゴ)」という長さが標準です。これは振り抜く際の遠心力を最大化するための黄金比です。

投げ竿には「振出(望遠鏡式)」と「並継(3本継)」があります。本格的に飛距離を伸ばしたいなら、圧倒的に「並継」を推奨します。

  • 硬さ(号数)の選び方
    • 25号〜27号:初心者や女性向け。竿が曲がりやすく、軽い力で飛びます。
    • 30号【推奨】最も標準的。100m〜150mを狙うならこの硬さ。
    • 33号以上:パワー自慢のベテラン向け。技術がないと竿が曲がらず飛びません。

【おすすめロッド】

  • ダイワ プライムキャスター 30-405
    • おすすめ理由:高密度HVFカーボンを採用し、振り抜いた後の竿のブレが極めて少ないのが特徴。30号という硬さは、25号前後のオモリをフルキャストするのに最適な反発力を持っています。
  • シマノ サーフランダー (振出) 405DX
    • おすすめ理由:持ち運びに便利な振出モデルですが、性能は並継(継ぎ竿)に匹敵。「スパイラルX」構造でねじれに強く、コントロールが定まります。

リール:ドラグ無しの大口径スプール

投げ専用リールには「ドラグ」がありません(※大物用を除く)。糸を出す必要がないからです。その分、スプールを極限まで軽量化し、飛距離を稼ぎます。

  • ダイワ 17 ウインドサーフ 35 細糸
    • おすすめ理由:コスパ最強。この価格で「マグシールド」搭載。砂を噛みやすいサーフでも耐久性抜群。35mmというロングストロークのスプールが、スムーズなライン放出を約束します。

ライン:PEラインの「色」を見る

ナイロンラインは使いません。伸びてしまいアタリが消えるからです。

  • メインラインPE 0.8号〜1.0号。200m巻きます。
  • 重要!「力糸(ちからいと)」:PE0.8号でフルキャストすると、指が切れるか糸が切れます。必ず先端に「テーパーライン(力糸)」を結びます。
    • 先端が太く(5号〜6号)、結び目が細い(0.8号〜1号)特殊なラインです。これがないと投げ釣りは成立しません。
  • ゴーセン(GOSEN) テーパーライン テクミーテーパー 砂紋
    • おすすめ理由:最初からテーパー状になっているPEライン。結びコブが小さく済み、ガイド抜けが良いのでライントラブルが激減します。

3. 【仕掛け編】釣果の9割を決める「天秤」と「針」の科学

竿やリールにお金をかけても、ここを疎かにすると釣れません。

天秤(てんびん):L型固定 vs 遊動式

オモリとアームが一体になった「天秤」。これには2つの役割があります。「仕掛けの絡み防止」と「フッキング(針掛かり)」です。

  • L型固定天秤(ジェット天秤など)
    • メリット:飛距離が出る。向こう合わせ(勝手に掛かる)性能が高い。
    • デメリット:魚が違和感を感じやすい。
    • 【推奨】:活性が高い時、遠投が必要な時。
  • 遊動式天秤(カイソー天秤など)
    • メリット:ラインがオモリの中を滑るため、魚に重さを感じさせず、アタリがダイレクトに出る。感度最強。
    • デメリット:飛距離が少し落ちる。
  • おすすめ富士工業 海草天秤 25号。「食わせ」の天秤です。アタリの鮮明さが違います。

針(フック):競技用と流線形

  • 流線(りゅうせん):虫エサを付けやすい細長い針。初心者向け。
  • 競技用・早掛け:フトコロが広く、吸い込んだ瞬間に掛かる形状。数釣り向け。
  • サイズ:シロギス狙いなら5号〜7号が基準。

【おすすめ仕掛け】

  • ささめ針(SASAME) キス 競技用50本結び
    • おすすめ理由:ハリス(糸)付きの針が50本入っています。これを自分で切って使う「無限仕掛け」スタイルが、実は一番コスパが良く、状況に合わせて針数(3本〜5本)を変えられます。

4. 【実践・遠投編】100mの壁を破る「V字投法」

力任せに振っても飛びません。竿の弾性を利用します。

  1. タラシの長さ:オモリを竿先から1m〜1.2mほど垂らします。短いと竿が曲がりません。
  2. 構え(V字):海に向かって正面ではなく、体を横に向けます。リールを顔の横、オモリを後ろの砂浜に置きます。上から見ると、竿とラインが「Vの字」になるように。
  3. 回転と押し出し
    • 左手(グリップエンド)を自分の胸に引きつける。
    • 右手(リールシート)を空に向かって突き上げる。
    • この「引く・押す」を同時に行いながら、腰を回転させます。
  4. 目線:斜め45度上を見る。弾道は目線についていきます。

※注意! キャストする時は、必ず背後に人がいないか確認してください。オモリは凶器です。また、指先を守る「フィンガープロテクター(指サック)」は必須です。PEラインで指が切れます。


5. 【戦略・探り編】海底の地図を描く「サビき」の極意

投げたら置き竿……ではありません。シロギスは「足で釣れ、手で釣れ」と言われます。

「サビく」=竿で海底をスキャンする

リールを巻いて寄せると、オモリが浮いてしまい、底の地形が分かりません。

  1. 竿を横(または縦)にゆっくり動かして、仕掛けをズルズルと引きずります(サビく)。
  2. 竿を戻しながら、出た糸フケだけをリールで巻き取ります。 この繰り返しです。

変化を感じたら「止める」

サビいていると、「ズズズ…」と重くなる場所があります。これが「カケアガリ(斜面)」「ヨブ(深み)」です。 シロギスはここに溜まっています。 重みを感じたら、必ず数秒止めてください(ステイ)。 ここで「ブルルッ!」とアタリが出ます。

アタリがあったら?「送り込み」の美学

「ブルルッ!」と来ても、即アワセは厳禁です。 一呼吸置いて、竿先を少し送り込む(魚の方へ倒す)くらいの余裕を持つと、シロギスは安心して針を飲み込みます。 そして、もう一度ゆっくりサビき始めると、2匹目、3匹目が追い食いしてきます。これが「連掛け」のテクニックです。 巻き上げた時、3本の針すべてにキスが付いている「3連」の美しさは、何物にも代えがたい喜びです。


6. 「釣れない時」の処方箋

Q. 全くアタリがありません。
A. 「距離」か「エサ」が間違っています。 PEラインの色を見てください。「今は赤色(4色目=100m)でアタリがあった」と記憶することが重要です。シロギスは群れで移動します。 また、エサの「ジャリメ(石ゴカイ)」は元気ですか? 頭の硬い部分だけを針に刺し、タラシは2cm程度に。食いが悪い時は、タラシを長くしてアピールするか、逆に短くして吸い込みやすくするか、調整します。

Q. フグばかり釣れます。
A. フグは手前に、キスは沖にいることが多いです。 仕掛けを止める時間を短くし、早めにサビいてフグをかわしましょう。それでもダメなら、思い切って50m以上移動します。

Q. 竿が重くて疲れます。
A. 「置き竿釣法」に切り替えましょう。 ドラグ付きのリールを使っている場合、ドラグを緩めて三脚に立てかけておけば、大物(マダイやクロダイ)が掛かるチャンスもあります。これを「ブッコミ釣り」と言い、別の楽しみ方があります。


7. まとめ:砂浜から放つ、白い矢

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 投げ釣りは、単純なようでいて、実は非常に繊細な指先の感覚が求められる釣りです。

  1. 4.05mの竿PEラインで、未体験ゾーンへ飛ばす。
  2. テーパーラインを必ず結び、安全にフルスイングする。
  3. 海底を引きずり、指先に伝わる「砂の音」を聞く。
  4. 「ブルルッ!」というアタリを楽しみ、連掛けを狙う。

私が初めて色付きのPEラインを使い、100m先でキスを掛けた時、「こんな遠くの魚と繋がっているんだ」という不思議な感動を覚えました。 青空の下、思いっきり竿を振るだけでもストレス解消になります。そしてお土産には極上のキスの天ぷら。 これ以上の休日の過ごし方が、他にあるでしょうか?

さあ、今週末はジャリメを片手に、広い海へ出かけましょう。 7色のラインの向こう側で、砂浜の女王があなたを待っています。

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