
みなさん、こんにちは!
バス釣りをしていて、目の前に広がる水面を見つめながら「今、一体何を投げればいいんだ…?」とタックルボックスの前で立ち尽くした経験はありませんか?
ルアーの種類は星の数ほどあり、ワームにいたってはフックの刺し方やシンカー(オモリ)の位置を変える「リグ」によって、全く別のアクションに変化します。この無限の選択肢こそがバス釣りの最高の魅力ですが、同時に初心者〜中級者にとって最大の壁でもあります。
今回は、そんなルアー選びの迷いを完全に断ち切るための「バス釣りルアー・リグ使い分け記事」をお届けします!
この記事では、どんな達人たちも無意識に行っている「状況判断の基準」を言語化し、そこから導き出される最適なルアーとリグを解説します。「なぜこの状況でコレが釣れるのか?」という魚の生態や環境変化に基づく深い理由まで!
1. ルアー選びの絶対的基準:「水深(レンジ)」と「水質」
ルアーを選ぶ際、「なんとなく釣れそうだから」「昨日これで釣れたから」という理由で投げていませんか? バス釣りにおいて最も重要なのは「今、バスがいる(意識している)水深」と「今の水の色(水質)に合ったアピール力」を掛け合わせることです。
まずは、この2つの軸の「基準」を自分の中に作りましょう。
① 水深(レンジ)の基準とバスの目線
バスは自分の目線より「上」にあるものに興味を示しやすく、逆に「下」にあるものは見つけにくいという習性があります。
- 表層(シャロー / 水面〜0.5m): バスの意識が完全に水面を向いている状態。朝夕のフィーディング(捕食)タイムや、虫が落ちてくる季節、水面まで伸びたウィード(水草)の上を狙う時に意識するレンジです。
- 中層(ミドル / 0.5m〜2m前後): 最もバスが浮きやすく、同時に最も釣るのが難しいレンジ。「サスペンド」と呼ばれる、中層でボーッとしている魚に対し、どうやって口を使わせるか(リアクションで散らすか、ナチュラルに騙すか)が鍵になります。
- ボトム(底 / 2m以深〜): 地形変化(ブレイク・岩・立木)にピッタリと寄り添っているバスを狙うレンジ。エビやザリガニといった甲殻類や、冬場や日中のタフな時間帯にバスが沈んでいる時に直撃します。
② 水質(透明度)とアピール力の相関関係
次に水の色です。水の色によって「ルアーの波動(水押し)」と「音」の強さを調整します。目安として、「自分の足元にルアーを沈め、何センチで見えなくなるか?」で判断してください。
- クリアウォーター(透明度1m以上): 水底までくっきり見えるような水質。バスの視力に頼るため、波動が強すぎたり音が大きすぎるルアーは即座に「偽物」と見切られます。視覚で騙せるリアルなシルエットと、微波動(食わせ系)が絶対条件です。
- ステインウォーター(透明度50cm〜1m): 日本の野池や河川で最も一般的な、少し緑や茶色に色づいた水質。ある程度の「気づかせる力(フラッシングや適度な波動)」と「見切らせない力」のバランスが求められます。
- マッディウォーター(透明度30cm未満): 雨の後の濁流や、常に濁っているマッディレイク。バスの視界は数センチしかありません。ここでは「色や形」よりも「強い波動(水押し)」と「ラトル音」で、バスの側線(水の動きを感じる器官)にルアーの存在を強烈にアピールしなければ、そもそもルアーに気づいてもらえません。
2. ルアー&リグ適材適所・分布マトリックス
上記の「水深」と「水質」の2軸に、現在主流となっているルアーとリグをマッピングしました。
現場で迷ったら、まずは今の状況がこの図の「どのエリア(9分割)」に当てはまるかを確認し、そこに配置されているルアーからローテーションを始めてみてください。
ルアー&リグ 適材適所マトリックス
水質とレンジから適したルアー・リグが一目で分かる
いかがでしょうか? 左上(クリア×表層)には極めてナチュラルなルアーが、右下(マッディ×ボトム)には強烈なアピールを放つルアーが配置されているのが一目で分かると思います。
ここからは、この分布図の主要なエリアごとに、「なぜそのルアー・リグが効くのか?」「どう使い分けるのか?」を解説していきます。
3. 【クリア × 表層・中層】「見切らせない」食わせの極意
水が綺麗で、バスが浮いている状況です。警戒心がMAXの「見えバス」を相手にすることが多いシチュエーション。
トップウォーターの使い分け:I字系 vs 虫系ワーム
クリアな表層で最強なのは、あえて「動かさない」ことです。
- I字系ルアー(ハード):小魚がスーッと水面直下を無防備に泳ぐ姿を演出。チェイス(追尾)してきても絶対にリトリーブスピードを変えないのがキモです。
- 虫系ワーム(ソフト):オーバーハング(木が覆い被さっている場所)の下に落とし、波紋だけを立てて誘います。ハードルアーの着水音すら嫌う超スレバスに有効です。
中層の最強トレンド:ミドスト vs ホバスト
クリアレイクの中層攻略で、近年のトーナメントでも圧倒的な釣果を叩き出しているのがこの2つです。
- ミドスト(ミッドストローリング):ジグヘッドリグを使い、ロッドをシェイクしながらラインのたるみ(スラック)を巻き取ることで、ワームを中層でロール(明滅)させながら一定層を引いてきます。
- ホバスト(ホバーストローリング):極小のネイルシンカーと特殊なフックを使い、ミドストよりもさらに移動距離を抑え、同じ場所(中層)にフワフワと留まらせる(ホバリング)テクニック。ミドストのスピードすら追いきれない低活性なクリアウォーターのバスに、口を使わざるを得ない状況を作り出します。
4. 【ステイン × 全レンジ】「効率」と「食わせ」の黄金バランス
日本の標準的な水質です。バスもルアーを見つけやすく、かつ見切りにくいため、パイロットルアー(状況を探るための最初のルアー)が最も活躍するエリアです。
サーチベイトの王様:スピナーベイト
中層を中心に、表層直下からボトム付近まで、投げて巻くだけで広範囲を素早く探れます。ブレードのフラッシング(光)と波動でバスを寄せ、障害物(カバー)に当ててヒラを打たせた瞬間に食わせます。 ※クリアなら「ウィローリーフ(細長いブレード)」、濁り気味なら「コロラド(丸いブレード)」と、ブレードの形状でアピール力を微調整できるのが強みです。
底(ボトム)の万能選手:フリーリグ
ボトム攻略において、テキサスリグに代わり現在のスタンダードとなったのが「フリーリグ」です。 キャスト後、ラインの抵抗がない遊動式のシンカー(オモリ)だけが先に「ストンッ」と底に落ちます。その後、ワームが「ノーシンカー状態」でフワフワと後を追ってフォールします。 この「リアクション(素早い落下)」からの「食わせの間(フワフワ)」という緩急が、スレたバスに劇的に効きます。
実体験として、秋の琵琶湖のウィードエリアで、テキサスリグに全く反応がなかった日。ワームは変えずにフリーリグの7gに変更し、ウィードの隙間に落とし込んだ瞬間に「ノーシンカー状態のフォール」でひったくるようにバイトしてきた強烈な経験があります。フォールの姿勢がいかに重要かを思い知らされました。
5. 【マッディ × 中層・ボトム】「波動」と「音」で気づかせる強気な釣り
雨上がりやカフェオレ状の濁りが入った時は、ナチュラルなルアーはバスに全く気づかれません。ここでは「目立ちたがり屋」なルアーを投入します。
中層の弾丸:チャターベイト & クランクベイト
- チャターベイト(ブレーデッドジグ):金属ブレードが水を受け、強烈な振動とフラッシング、そしてスカートの揺らめきで強烈にアピールします。マッディウォーターでの中層早巻きは、秋のターンオーバー時などに爆発的な威力を発揮します。
- クランクベイト:丸っこいボディで水を強く押し込み、ブリブリと泳ぎます。リップ(先端の板)が障害物を回避してくれるため、濁りの中で見えない底の岩や木にガンガン当てて(カバークランキング)、その反動で食わせます。
ボトムの重戦車:フルサイズラバージグ & テキサスリグ
- フルサイズラバージグ:太いラバーが大きく水を押し、着底時に「ボワッ」と開くボリューム感で、視界ゼロの状況でもワームの存在を強烈にアピールします。
- テキサスリグ / パンチング:濁りが入るとバスは障害物(カバー)の奥深くに身を潜めます。重いシンカーとすり抜けの良いワームで、分厚いゴミ溜まりやウィードマットを「貫通(パンチング)」させ、目の前に直接ルアーを落とし込みます。
6. +αの環境変化をどう読み解くか?
ここまでは「基本の型」です。現場ではこの分布図の配置を「環境変化」によって頭の中でズラしていく必要があります。
①:ハードルアーとソフトルアー(ワーム)を切り替えるタイミングは?
ズバリ、「魚のテンション(やる気)と効率」です。 朝イチや夕マズメ、風が吹き始めた瞬間など、バスが餌を求めて動き回っている時は、手返し良く広範囲を探れる「ハードルアー」でテンポ良く撃っていきます。 逆に、日差しが強くなりカバー(日陰)に身を寄せた時、急な冷え込みで口を使わない時は、ピンスポットでネチネチ誘える「ソフトルアー(リグ)」に切り替えます。「ハードで探して、ソフトで食わせる」が鉄則です。
②:風が吹いた時はこの分布図をどうズラせばいい?
「風が吹いたらスピナーベイト」という格言があります。風によって水面が波立つと、光が乱反射して水中の透明度が下がり(マッディ側に寄り)、バスの警戒心が薄れます。 つまり、風が吹いたら、分布図の「右側(アピールが強い側)」へルアーをシフトさせます。クリアレイクでも、強風時はスピナーベイトやチャターベイトが突然火を噴くのはこのためです。
③:エサ(ベイト)の種類による使い分けは?
- 小魚(ワカサギ・アユ)を追っている時:中層〜表層を意識し、ミノー、シャッド、ミドストなど、横方向の動き(スイミング)に反応します。
- 甲殻類(エビ・ザリガニ)やハゼ類を追っている時:ボトムを意識し、ラバージグ、フリーリグ、ネコリグなど、縦の動き(リフト&フォール)やズル引きに反応します。 事前の情報や、足元を泳ぐ小魚、鳥の動きなどから「今日、バスは何を食っているか?」を想像することが釣果への近道です。
7. 揃えておきたいおすすめルアー&リグ用具
情報が多すぎて「結局、何を買えばいいの?」と迷ってしまった方へ。「各カテゴリの基準となる名作・トレンドアイテム」を厳選しました。まずはこの辺りから揃えて、使い分けの感覚を掴んでみてください。
【サーチベイトの超定番(ステイン×中層)】 ■ O.S.P ハイピッチャー 3/8oz DW(ダブルウィロー) コンパクトで投げやすく、アピール力も絶妙。何より安価で手に入りやすい。初心者の方が最初に買うべきスピナーベイトの筆頭です。これ一つで中層のサーチは完結します。
【ボトム攻略・フリーリグの最適解(全水質×ボトム)】 ■ ボトムアップ ブルスホッグ 3インチ フリーリグで使うと、シンカー着底後にワームが水平姿勢でパタパタと各パーツを揺らしながらフォールします。この自発的アクションがスレバスに猛烈に効きます。テキサスやジグのトレーラーとしても超優秀。
【最強の食わせ・ネコリグ&ノーシンカー(クリア〜ステイン)】 ■ ゲーリーヤマモト カットテールワーム 4インチ バス釣りをしている人で知らない人はいない不朽の名作。困った時はこれのネコリグかノーシンカーワッキーを投げれば、とりあえず「魚がいるかいないか」の答えが出ます。絶対にタックルボックスに入れておくべきお守りです。
【ボトムの超遠投・高比重ノーシンカー】 ■ 一誠(issei) 沈み蟲 2.2インチ オカッパリ(岸釣り)で「とにかく飛んで、底をズル引きするだけで釣れる」と大ブームを起こし、今や定番化した高比重ワーム。リグを作る手間がなく、針(オフセットフック)を刺すだけで使えるため、初心者にも超おすすめです。
【フッキングを確実にする必須アイテム】 ■ リューギ(RYUGI) インフィニ / ダブルエッジ ワームの釣果は「フックの刺さり」で決まります。TCコート(フッ素コーティング)で、信じられないほど滑らかにバスの硬いアゴを貫通します。カバーを攻めるならインフィニ、細軸で確実な掛かりを求めるならダブルエッジを。
まとめ:さあ、次の週末はどのルアーで挑みますか?
バス釣りにおけるルアーとリグの使い分けについて、私の持てる知識と経験を注ぎ込みました。
- 「水深(レンジ)」と「水質(アピール力)」の2軸で現在地を知る。
- 分布図から、状況にマッチした最適なルアー・リグを選択する。
- 風やベイト(餌)といった環境変化に合わせて、ルアーの強さを微調整する。
この思考プロセスが自然とできるようになれば、あなたはもう「なんとなくルアーを投げるアングラー」ではありません。自らの戦略でバスを騙し、狙い通りに釣り上げる快感を知る、本物のアングラーへの階段を確実に登っています。
ルアー選びに正解はありません。しかし、「不正解(絶対に釣れないルアー)」を減らし、「正解の確率を高める」ことは誰にでもできます。
まずは次回の釣行。 フィールドに立ったら、すぐにルアーを結ぶのをグッとこらえて、水の色を観察し、風を感じてみてください。 そして、この記事の分布図を思い出し、「よし、今日はステインウォーターで中層にベイトがいるから、まずはスピナーベイトから入ろう!」と、自信を持って第一投をキャストしてください。





