
こんにちは!管理人の田んぼです!
せっかく釣った魚、できるだけ美味しく食べたいですよね。
持ち帰った魚の味が、お店で食べるものと違うと感じたことは?
その秘密、実は「釣った後の処理」にあります。
今回は、釣った魚の鮮度と旨味を最大限に引き出すための、「血抜き」と「神経締め」の正しい手順を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます!
なぜ「血抜き」と「神経締め」が必要なの?
魚の味が落ちる主な原因は以下の3つです。
- 死ぬ際のストレス: 魚が暴れることで、体内に乳酸が溜まり、身が硬くなったり味が落ちたりします。
- 血液の腐敗: 魚の血液は臭みの元であり、早く腐敗するため、身の劣化を早めます。
- 死後硬直の早さ: 魚は死後、時間の経過とともに身が硬直しますが、これが早く進むと旨味成分が生成される前に細胞が破壊され、味が損なわれます。
この3つの原因を効果的に取り除くのが、「脳締め」→「血抜き」→「神経締め」という一連の処理なんです!
魚を美味しく持ち帰るための3ステップ!
釣った魚が活きているうちに、以下の手順で処理を進めましょう。
ステップ①:脳締め(瞬時に魚の意識を絶つ!)
脳締めは、魚を瞬時に絶命させ、暴れさせないことで、身へのストレスを最小限に抑えるための重要な工程です。
- 魚を固定する: タオルなどで魚の目を覆うか、フィッシュグリップでしっかり口を掴んで暴れさせないようにします。
- 脳天を突く: ナイフの先端や専用のピックを、魚の目と目の間(またはこめかみ付近)にある脳に向けて突き刺します。魚の種類によって脳の位置は少し違うので、事前に調べておくと確実です。
- 成功のサイン: 魚の体が「ビクッ」と痙攣し、口が大きく開いて動きが止まれば成功です。これで魚は痛みを感じなくなります。
【おすすめの道具】
- フィッシュグリップ: 魚を安全かつ確実にホールドするために必須。小型魚用から大型魚用まで様々なタイプがあります。
- ナイフ(脳締め用): 先端が鋭利で細いナイフが適しています。出刃包丁のような厚い刃では難しいです。
- 脳締めピック: 専門の道具で、より正確に脳を突くことができます。
ステップ②:血抜き(臭みの元を徹底的に除去!)
血液は魚の生臭さの原因であり、腐敗も早いです。身を美味しく保つために、速やかに血液を抜きましょう。
- エラ元を切断: 魚のエラ蓋を持ち上げ、エラの付け根にある太い血管(動脈)をナイフで切断します。この際、心臓を直接傷つけないように注意してください。心臓が動いているうちに血を出すのがポイントです。
- 尾の付け根を切断: 魚の尾の付け根(背骨の近く)にある血管もナイフで切断します。これにより、より効率的に血が抜けます。この切れ込みは、後述する神経締めのワイヤーを通すための穴にもなります。
- 海水で血を抜く: 釣り場の新鮮な海水を汲んだバケツやバッカンに魚を入れ、5分〜10分程度浸します。心臓のポンプ作用で血が押し出され、血管の隅々まで血が抜けていきます。絶対に真水を使わないでください! 真水に浸すと身が水っぽくなり、味が落ちてしまいます。
- 洗い流す: 血が抜けたら、魚体やエラ周りについた血やヌメリを海水で綺麗に洗い流します。
【おすすめの道具】
- ナイフ(血抜き用): 切れ味が良く、魚の大きさに見合った刃渡りのものが良いでしょう。錆びにくいステンレス製がおすすめです。
- 魚絞めハサミ: 魚のヒレやエラをカットするのに便利。切れ味の良いものが作業効率を高めます。
- バケツ / バッカン: 汲んだ海水を入れて血抜きを行うために必須。
ステップ③:神経締め(旨味を閉じ込めるプロの技!)
一般的にはここまでの2ステップでも、十分に美味しく持ち帰ることができますが、更に美味しく持ち帰る為にはこの最後のステップが必要です。
神経締めは、魚の脊髄神経を破壊することで、死後硬直が始まるのを遅らせ、旨味成分が熟成される時間を稼ぐための、非常に重要な工程です。これにより、魚は鮮度を保ったまま「もちもち」とした食感と、深い旨味を持つようになります。
- 神経穴の確認: 脳締めをした穴、または尾の付け根を切断した際に見える背骨の上側にある白い管(脊髄神経の通り道)を探します。
- ワイヤーを挿入: 専用のステンレスワイヤー(ピアノ線)を穴から、背骨に沿って抵抗のないようにスーッと差し込んでいきます。焦らず、ゆっくりと、神経の通り道を探すように入れていくのがコツです。
- 神経を破壊: ワイヤーが奥まで到達したら、数回前後に動かして脊髄神経を完全に破壊します。この際、魚が再び「ビクビク」と痙攣することがありますが、神経が破壊されるとやがて静かになります。
- 成功のサイン: ワイヤーが最後まで通り、魚が静かになり、身の色が白っぽく変化すれば成功です。
【おすすめの道具】
- 神経締めワイヤー / 神経締め具: 魚のサイズに合わせた長さと太さのものを選びましょう。収納ケース付きのものだと持ち運びや保管に便利です。
最後の仕上げ!美味しく持ち帰るための冷却方法
せっかく完璧な処理をしても、持ち帰り方が悪いと台無しです。
- 潮氷(しおごおり)を作る: クーラーボックスに氷(ロックアイスが理想)を入れ、海水を少量入れてかき混ぜます。これで魚を傷めない0℃近い冷たい海水(潮氷)ができます。
- 直接氷に当てない: 魚を氷に直接当てると、身が氷焼けして変色したり、味が落ちたりすることがあります。氷はビニール袋などに入れ、魚とは直接触れないようにしましょう。
- 氷は魚の上に置く: 冷気は下に流れるため、クーラーの下に魚を入れ、その上に氷を置くのが効率的です。
- 魚は曲げない: クーラーのサイズが小さくても、魚を無理に曲げて詰め込むのは避けましょう。曲がった部分から身割れや劣化が進む原因になります。できるだけ魚体をまっすぐに保てるクーラーを選びましょう。
【おすすめの道具】
- クーラーボックス: 釣る魚のサイズや量に合わせて選びましょう。保冷力の高いものがおすすめです。
今回ご紹介した道具を揃え、正しい手順で処理を行うことで、あなたの釣果は一級品へと変わります。特にアジ、サバ、タイ、青物など、血液の多い魚種には絶大な効果がありますよ!
ぜひ、手間を惜しまず、美味しく安全に魚を持ち帰ることに挑戦してみてくださいね! あなたの釣果がさらに美味しく、楽しいものになることを願っています。


