
釣り歴に関係なく、多くのアングラーが悩むのが「ライン(道糸)」の選び方です。
現在、主流なラインはPE、フロロカーボン、ナイロンの3種類。それぞれ特性が大きく異なり、用途を間違えると釣果に直結します。
この記事では、3大ラインの「違い」を徹底的に解説し、あなたの釣りに最適なラインと号数を選ぶ方法を紹介します。
3大ラインの基本特性を徹底比較
ライン選びで最も重要なのは、それぞれの「素材特性」を理解することです。
| 特性 | PEライン | フロロカーボンライン | ナイロンライン |
| 強度(同じ太さ) | 最も強い | 中間 | 弱い |
| 伸び | ほとんど伸びない | ほとんど伸びない(ナイロンより低い) | 最も伸びる |
| 比重(水への浮き沈み) | 水に浮く | 水に沈む | 水に浮く |
| 耐摩耗性 | 弱い(擦れに弱い) | 最も強い | 中間 |
| 感度 | 最も高い | 高い | 低い |
| 価格 | 高い | 中間〜高い | 安い |
1. PEライン:高感度・超強度を活かした釣り
PE(Polyethylene)ラインは、複数のポリエチレン繊維を編み込んで作られています。
✅ PEラインのメリットとデメリット
| メリット | デメリット |
| 最強の強度: 細くても非常に強い。 | 摩擦に弱い: 根ズレや魚の歯に弱い。 |
| 感度抜群: 伸びがほぼゼロで、微かなアタリも手元に伝わる。 | 専用ノット必須: 結び目が滑りやすく、結束には専用のノット(FGノットなど)が必要。 |
| 飛距離: 比重が軽く水に浮くため、軽いルアーでも飛距離が出る。 | バックラッシュ: トラブル時は解きにくい。 |
🎣 適した釣り
ルアーフィッシング全般(シーバス、エギング、ショアジギング、バス釣り)など、感度と飛距離が求められる釣りに最適です。
2. フロロカーボンライン:沈降性と耐摩耗性が武器
フロロカーボンはフッ素系の素材で、ナイロンやPEとは化学的性質が大きく異なります。
✅ フロロカーボンラインのメリットとデメリット
| メリット | デメリット |
| 高い耐摩耗性: 根ズレに強く、リーダーとして最適。 | ライン癖: 巻きグセがつきやすく、硬い。 |
| 高比重(沈む): 素早くルアーや仕掛けを沈めたい場合に有利。 | 衝撃吸収力: 伸びが少なく、急激な引きには弱い。 |
| 低視認性: 水中で光の屈折率が低く、魚から見えにくい。 | 価格: ナイロンより高価。 |
🎣 適した釣り
バス釣り(メインライン)、全釣りのリーダー(先糸)、または感度と沈降速度が求められる釣りに。
3. ナイロンライン:ショック吸収と汎用性
ナイロン(ポリアミド)は、初期の釣りから使われている最も歴史の長い素材です。
✅ ナイロンラインのメリットとデメリット
| メリット | デメリット |
| ショック吸収力: 適度な伸びで、魚の急な引きを吸収する。 | 紫外線劣化: 紫外線で徐々に強度が低下する(定期交換が必要)。 |
| 扱いやすい: 柔らかく、結びやすい。初心者におすすめ。 | 低感度: 伸びるためアタリが伝わりにくい。 |
| 安価: コストパフォーマンスが高い。 | 水に浮く: 仕掛けを素早く沈めるのには不向き。 |
🎣 適した釣り
渓流釣り(ショック吸収が必要)、餌釣り、初心者向けの練習用など。
実践!あなたに最適なラインを選ぶための早見表
最終的なライン選びは、「どの魚種を、どうやって釣るか」で決まります。
| 魚種・釣り方 | メインライン | リーダー(先糸) |
| エギング(アオリイカ) | PE 0.6〜1.0号 | フロロ 1.5〜2.5号 |
| ショアジギング | PE 1.5〜3.0号 | フロロ 20lb〜40lb |
| バス釣り(ベイトリール) | フロロ 10lb〜20lb | 不要(直結) |
| バス釣り(スピニング) | PE 0.8〜1.2号 | フロロ 8lb〜12lb |
| サビキ釣り・餌釣り | ナイロン 2号〜4号 | 不要またはナイロン |
応用:ラインの号数とポンド(lb)の換算
海外製品やルアーのパッケージには、強度がポンド(lb)で表記されています。日本の号数との対応は以下の通りです。
| 号数 | ポンド(lb)の目安 |
| 1.0号 | 8〜12lb |
| 2.0号 | 16〜25lb |
| 3.0号 | 30〜40lb |
| 5.0号 | 50〜70lb |
💡 さらに詳しい換算情報はこちら
詳しくはフィート・インチ・ポンド・オンスの単位換算完全ガイドをご覧ください。
トラブルシューティング:ラインブレイクを防ぐ対策
バックラッシュ対策:特にPEラインを使う場合は、リールのスプールへの巻き取り量を適正(スプールエッジから少し下)に保ち、キャスト時のサミング(ライン放出量を指で調整)を徹底しましょう。
PEラインのリーダー結束:PEラインは結びに弱いので、FGノットなど摩擦抵抗で締め込む専用ノットを必ず使ってください。
ナイロン・フロロの交換時期:紫外線や劣化で強度が落ちるため、半年〜1年を目安に巻き替えることでラインブレイクを防げます。



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