
ルアーフィッシングにおいて、フック(針)は魚との唯一の接点であり、釣果を左右する最重要パーツです。しかし、「フックのサイズがメーカーによって違う」「交換方法が分からない」と悩む方も多いでしょう。
この記事では、ルアーフックのサイズ規格(番手)から、実践的な交換方法、そしてフック選びの基本ルールまでを徹底解説します。
1. ルアーフックの種類と基本的な規格
ルアーフィッシングで主に使われるフックは、トレブルフック(3本針)、シングルフック(1本針)、そしてワームフック(オフセットフックなど)の3種類が主流です。
1-1. フックサイズの「番手」の見方
フックのサイズは「番手」で表されますが、一般的な数字の感覚と逆になるため注意が必要です。まず、このルールを覚えてください。
| フックのサイズ | 番手の数字 | 例 |
| 小さい針 | 数字が大きいほど針は小さい | #10(最も小さい) |
| 大きい針 | 数字が小さいほど針は大きい | #4, #2, #1 |
つまり、#8よりも#4の方が大きく、#10は非常に小さな針ということになります。
【さらに大きなフックのルール】
#1 よりさらに大きなサイズは、数字の前に「/0(ゼロ)」が付きます。このサイズ帯では、再び数字が大きくなるほどさらに特大になります。
例:1/0(イチゼロ) → 2/0 → 3/0(最も大きい)
1-2. トレブルフックのサイズ比較(主要メーカー互換目安)
トレブルフックは特にメーカー間のサイズ差が大きく、交換時は必ず現物と見比べる必要があります。
| サイズ | 主な用途(ルアー例) | 概ねのフック幅(外径) |
| #10 | メバリング、渓流ミノー、小型クランク | 約7.0〜8.0mm |
| #8 | トラウト、バス用シャッド、小型シーバスミノー | 約8.5〜10.0mm |
| #6 | バス用ミノー、シーバスプラグの定番サイズ | 約10.0〜11.5mm |
| #4 | 中型バイブレーション、やや大きめのシーバスプラグ | 約12.0〜13.5mm |
| #2 | 大型シーバス、青物用トップウォーター | 約14.0〜16.0mm |
2. トラブルを防ぐフック交換の基本手順(トレブル/シングルフック)
フックは使っているうちに錆びたり、先端が丸まったりして、刺さりが悪くなります。魚をバラさないためにも、定期的な交換が必要です。
✅ 用意する道具
- 新しいフック(既存のフックと同サイズまたは同重量のもの)
- スプリットリング(ルアーとフックを繋ぐC型のリング)
- スプリットリングプライヤー(フック交換専用の工具)
✅ フック交換手順(トレブル/シングルフックの場合)
- 古いフックの取り外し: プライヤーの先端をスプリットリングの隙間に差し込み、リングを開きます。古いフックをリングから外し、フックだけを外します(スプリットリングは再利用可能)。
- 新しいフックの装着: リングを開いた状態を維持し、新しいフックのアイ(輪)を通します。
- 装着の確認: リングからプライヤーを抜き、フックがリングのどこにも引っかかっていないかを確認して完了です。
💡 スプリットリングプライヤーは必須
爪で無理にリングを開けようとすると、爪や手を傷つけるだけでなく、リングを歪めてしまい強度を落とすため、必ず専用のプライヤーを使用してください。
3. トレブルフックとシングルフックの選び方
| 特徴 | トレブルフック(3本針) | シングルフック(1本針) |
| フッキング率 | 高い(触れれば掛かりやすい) | 低い(口の中の特定箇所に掛かる) |
| 魚へのダメージ | 大きい(複数の箇所に刺さりやすい) | 小さい(リリース前提の釣りに有利) |
| 根掛かり率 | 高い(針先が多いため) | 低い(針先が1つのため) |
| 推奨用途 | シーバス、管理釣り場のニジマス、ミノー全般 | 青物、サーフ(ヒラメ・マゴチ)、根の荒い場所 |
⚠️ 交換時の注意点:重量とバランス
トレブルフックからシングルフックに交換する場合、フック全体の重量が大きく変わることがあります。
ルアーはフックの重量で沈み方や泳ぎのバランスが設計されているため、フック交換後はルアーの泳ぎ(アクション)が極端に変化していないかを必ず確認してください。フックの重さを調整することで、ルアーの性能を維持できます。
4. ワームフック(オフセットフック)の徹底解説
ワームフックは、主にバスフィッシングやロックフィッシュ(根魚)釣りで使用され、針先をワームに隠すことで根掛かりを防ぐ(テキサスリグ、ノーシンカーなど)ことを目的としています。
4-1. ワームフックの主な種類と使い分け
| 種類 | 特徴 | 適したワーム/リグ |
| オフセットフック | 標準的な形状。クランク(曲がり)が大きく、針先をワームに隠しやすい。 | ストレート系、シャッドテール系ワーム全般。テキサスリグ、ノーシンカー。 |
| ワイドゲイプフック | ゲイプ幅が広い。バルキー(太い)なワームや、横幅があるワーム向き。 | ファットイカ、クロー系など、体積の大きいワーム。 |
| マス針(ストレートフック) | 針先が直線的。主にダウンショットリグやネコリグで使用され、ワームを貫通させない(ちょん掛け)。 | 細いワーム、小型ワーム。高いフッキング率が求められる場合。 |
4-2. ワームフックの「サイズ」とワーム適合の基本
ワームフックのサイズは、トレブルフック同様に数字が小さくなるほどフックは大きくなります(例:#1 → 1/0 → 2/0)。
ワームフックを選ぶ際の最も重要なルールは、フックとワームの「ゲイプ幅の適合」です。
- ゲイプ幅(フックの開き):ワームの胴体の最も太い部分と、フックのゲイプ幅が一致しているか確認します。
- フックの長さ:ワームの全長(長さ)の約1/3〜1/4程度の長さが目安です。フックが長すぎるとワームの動きを邪魔し、短すぎるとフッキングミスが増えます。
| ワームサイズ(長さ)の目安 | 推奨フックサイズ(オフセット) |
| 3インチ(約7.5cm) | #1 または 1/0 |
| 4インチ(約10cm) | 1/0 または 2/0 |
| 5インチ(約12.5cm) | 3/0 または 4/0 |
| 6インチ以上(約15cm以上) | 4/0 または 5/0 |
💡 実践的なセッティング
根掛かりを極限まで減らすためには、フックポイント(針先)をワームの表面にわずかに埋め込むようにセットする「フックの隠し方(スキントフック)」をマスターしましょう。


